パーテーションを使わない、オフィスの間仕切りアイディア4選
パーテーションとは、スペースを区切って個室を作る際に利用される間仕切りのことです。色々な場所で広く利用されています。
例えば会議室をレイアウトする時には壁やパーテーションで他のスペースとは違う、独立した空間を作りますよね。
執務に当たるデスクにも、隣や向かいのデスクとをパーテーションで仕切っている場合もあるでしょう。
パーテーションには床から天井までの「壁」の役割を果たす「ハイパーテーション」と、目隠し程度に使う背の低い「ローパーテーション」があります。
仕切りが必要な空間と開放的であるべき空間
まず始めにパーテーションが必要か、必要でないかを見極めることが大切ですが、その際に基本となる考え方は
、それぞれの空間にどの程度の独立性を持たせたいのか
ということです。
例えばデザイン事務所などで常にコミュニケーションを取りながら仕事を進めつつ、同時に個々の細かな作業は集中できるスペースが必要、という場合には
【開放的な執務スペース】と【独立型の作業スペース】が必要となりますね。
また部署によっても違ってくるでしょう。
同じ企業内でもコミュニケーションをより取り合える方向に向けたいのか、独立した作業の必要性が高いのかなど、企業理念や方針、抱える課題によって決めるべきです。
目的別パーテーションの活用法
目的に合ったパーテーションを使うことで、オフィスのレイアウトを効率的に変えたり、職場の生産性をアップしたりすることができます。
防音・遮音としての役割
先ほど例に挙げた会議室は、パーテーションによって防音や遮音することで、独立した空間を創り出している例と言えます。お客様をお通しする応接室も同様です。
防音や遮音を目的とするパーテーションは、床から天井までをカバーする「ハイパーテーション」が一般的です。
セキュリティ対策としてのパーテーション
機密情報を扱う場合には防音・遮音を目的とするパーテーションと同様ハイパーテーションで、更にロックできるドアがあるものが望ましいでしょう。
暗証番号で開閉するロックドアや、カードキーで開閉するタイプもあります。
動線を明確にするためのパーテーション
オフィス内の各部署を仕切ったり、通路を明確にするためにパーテーションを導入する場合には、フロアが見渡せる高さの「ローパーテーション」がよいでしょう。
オフィスレイアウトを作る際、人の流れ=動線を明確にしておくことは作業効率や労働生産性に直接関わってきますので大変重要です。
動線の失敗例
働きやすいオフィスを作る上で、動線設計は欠かせません。
パーテーションによって動線を確保しようとした結果、却って生産性の低いオフィスになってしまうこともあります。
例えば動線の幅が確保できておらず、人がすれ違えない、ドアを開けると人とぶつかる、コピー機など操作が必要な機器の周りに人が立つスペースがない、などは作業効率が低いばかりか危険でもあります。
視線を遮ることを目的としたパーテーション
作業に集中するために、他者の視線を遮るようなデスクの配置やパーテーションを導入することも良くあります。
この場合の仕切りはあまり高いと圧迫感を感じたり、照明・エアコンの効きに差が出てしまったり、互いのコミュニケーションが取りづらくなったりという弊害が出ますので、立ち上がれば周りが見渡せる程度の高さがお勧めです。
応用パーテーションのアイデア4選
便利なパーテーションですが、固定で設置してしまうと不具合も出てきます。
例えば動線が変わってしまう、照明の設置場所の関係で部屋が暗くなる、エアコンの効きが悪くなる、圧迫感を感じる、狭く感じる、などです。
その他消防法によって天井に煙感知器、スプリンクラー、点検口などを設けなければならない場合がありますので適切な工事が必要です。
ローパーテーションの場合は別のものを使って間仕切りの役目をさせることもできますので、いくつかアイデアをご紹介しましょう。
収納棚で間仕切りをする
多くのオフィスで悩みの種である収納場所。しかし収納棚自体を間仕切りに使ってしまう方法があります。
①大きなキャビネットを部屋の真ん中に置くというのは、大変な圧迫感がありますが、裏板がない、両方向から利用できるフレームだけの棚であれば抜け感があります。
この仕切り方の良い点は、明りや空気の流れを残しつつ、視線を遮りたい高さ(=大抵の場合、手の届きやすい高さ)に「収納」という形で物を置くという所です。
「収納」と「集中できる空間」を同時に創り出します。
棚は下の方から使用するなどのルールがあれば、上の方の棚は光も風も通す間仕切りという訳です。
「見せる収納」は人目に付きますから、自然と整理整頓する効果もあります。
②
間仕切りにローキャビネットを使用するのもお勧めです。
高さ120cm程のキャビネットは、座って作業をしている時には視線を遮り、立ち上がれば周りが見渡せます。
開放感を残しつつ、「収納」と「視線を遮る」役目、更に「動線を確立する」為にも役立ちます。
ローキャビネットはスライドドア式のものであれば、扉の開閉時に場所を取ることもありません。
フリーアドレス性のオフィスで、個人のロッカーとして利用されるケースも多いです。
緑を使って間仕切りをする
無機質なオフィスに観葉植物などの緑を取り入れてリフレッシュ効果をもたらすことが良くあります。
この観葉植物を並べて置くことで、適度な目隠しになります。
なぜ植物を置くと良いのか
更に植物がオフィスにあることで、仕事の効率が向上するとも言われています。
これは単に「雰囲気」や「居心地の良さ」と言うだけではありません。
近頃はデスクワークに不可欠となったパソコンのモニターを、一日中見ていることも少なくありません。
パソコンのモニターは長時間見ていると眼精疲労が起きますね。この眼精疲労を和らげる効果を期待されるものが植物の緑です。
オフィスに観葉植物があることで、眼精疲労からなる不調を抑制する効果が期待できるとしたら、取り入れない手はないでしょう。
しかも植物は二酸化炭素を吸って酸素を作り、湿度を調整してくれる働きもあります。
目にも優しく、精神を安定させ、空気清浄機の役割も果たしてくれる観葉植物は、オフィスに是非取り入れたいところです。
観葉植物の置き方にもひと工夫
背の高い観葉植物ならば床に置いても良いでしょう。
小さいサイズの観葉植物は、ローキャビネットの上などに置くこともできます。
入口からオフィス空間の奥に向かって、大きい観葉植物から段々と小さい植物の順になるよう配置することで、室内の奥行きが広く感じられますのでお試しください。
こんな観葉植物がお勧め
背の高い植物をパーテーションとして利用するのなら、葉が大きいものや、横に広がらないタイプのものが良いでしょう。
オフィスで人気の背が高い観葉植物は「パキラ」「アルテシーマ(ゴムの木)」「マッサンゲアナ(幸福の木)」などがあります。
背の低い植物は、ローキャビネットや棚の上などに置きます。
柔らかな見た目で葉が垂れるものや、丸い葉が印象的なものなど色々です。
小さい観葉植物の場合は、鉢やプランターなども小型のことが多いので、乾燥に強いものを選びましょう。
「カポック」「サンスベリア(トラノオ)」「ポトス」などが人気があります。
ロールスクリーンで間仕切りをする
天井からロールスクリーンを降ろす方法です。複数用意しておけば、仕切り方も自由自在です。
集中したい作業をするスペースの背後に設置しておけば、
落ち着きを与えることができます。
またフリースペースなどの大きな空間をロールスクリーンで仕切ることで、簡易ミーティングルームにすることもできるでしょう。
ロールスクリーンを設置する際の注意点
天井に直接設置する際には、空調による空気の流れや、照明の明るさを遮らないよう注意が必要です。
カーテンレールに取り付けることができるロールスクリーンを選ぶと、天井から下げた位置に固定することができますので便利です。
便利なロールスクリーンの素材
時には部屋をいくつかに区切ってミーティングに、と汎用性が高いロールスクリーンによる仕切りですが、さらにこのスクリーンをホワイトボードの素材にしておけばミーティングなどにも役立ちます。
本数を多く吊っておいてフレキシブルに活用したい時には、ほど良く透け感のあるファブリック素材を取り入れると圧迫感や狭さを感じないのでお勧めです。
取り外し可能なデスクパーテーション
個々に区切られたデスクは集中する時には良いですが、コミュニケーションを取り合うのには不向きです。
開放的にもでき、集中スペースにもできるという時に利用したいのが、取り外し可能なデスクパーテーションです。
サイズも素材も色々あるデスクパーテーション
デスクの幅や、仕切りの高さなど、好みに合わせて選べます。高さは35cm~50㎝ほどが一般的で、デスクの高さと併せて120㎝程度にしておくと、視線を遮りながらも周囲とのコミュニケーションが取りやすくなります。
素材も豊富です。
メタル素材は磁石が付くので便利ですね。
メタル素材でホワイトボード仕上げのデスクパーテーションならば、思いついたアイデアをサッとメモしておくこともできるでしょう。
色や柄が豊富なファブリック素材、コルク素材など、重量が軽いものは、配置換えなどでも手軽に持ち運ぶことができます。
価格も数千円で購入できるものが多いですから、上手に取り入れ快適なオフィス空間を作りましょう。