共有スペースやエントランスを素敵にステージング(賃貸マンション編)
日本ホームステージング協会のホームステージング白書2019によると、賃貸物件の割合が全体の約1/4と、賃貸のホームステージングが広まっていることが報告されています。
また、総務省統計局の「家計調査」の資料を見ると1981年の世帯の実収入452,737円に対し土地家屋の借金返済額は50,339円、返済負担は11.1%でしたが、2011年になると世帯の実収入587,104円に対し土地家屋の借金返済額は99,542円で返済負担は17.0%と大きな割合を占めています。物のインフレは進んでいますが、実収入が伴っていない状態です。
これに固定資産税などを含めると家を買い、維持していくには収入の20~30%近くを負担することとなります。修繕費などを積み立てるとしたらもっとかもしれません。
結果、持ち家を諦め、賃貸を選択する人も少なくないです。
ですが、人口減少に伴う空室率は徐々に増加しており、借りる人に優位性があるのが現状です。
この先は今まで以上に借り手に魅力的な物件と感じてもらう努力が必要となるはずです。
エントランス(玄関)
まず内見で真っ先に目に入る部分がエントランスです。戸建であれば玄関になりますね。
掃除が行き届いていることが絶対条件です。チラシやゴミなど置いたままになっていませんか?
空室の部屋の中だけをステージングしてもエントランスが汚れていては魅力も半減です。
入った時に「心ときめく」そんなエントランスは、優しい光の演出だったり、おもてなしを感じるディフューザー※を忍ばせてあったり、(※以前だと「香り」には人の好みが分かれるとされており、置くのを避ける大家さんも多かったですが、万人受けする「香り」もあり現在は香りの演出をする方が効果的とされています)壁や廊下の色に合うアートが飾られていたりするものです。
エントランス周りでつい目に付くのが回覧スペースです。無造作に貼ってあったり、テープの跡が残っていたり、色褪せや期限切れの通知はだらしない印象を残します。古いマンションでも清潔感あるエントランスにすることで好印象に受け止められるはずです。
エントランスはゲストやそこに住む人が行き来する場所であり、私共が大変重要視するスペースです。
共有スペース(ロビーなどの交流スペース)
廊下、中庭、エレベーター、外部階段、ゴミ置場、エントランスロビー、集合郵便受け、駐車場、ベランダなどの避難通路、これらは全て賃貸マンションの共有スペースとなります。
意外と自分の部屋から出入りするベランダなどは専用部分だと思っている人が多いのですが、多くの賃貸マンションは部屋に付随したベランダやハーフテラスなどは共有スペースとなっているのでステージングの範囲にも注意が必要です。(避難通路や排水管理下にあるため)
どのスペースをとっても綺麗に掃除をされているのが大前提ではありますが、空室の早期解消を目指すのであれば、共有スペースをスタイリッシュに演出することが大変重要なポイントとなります。
具体的な例をあげると、エントランスロビーなどでは訪問者とのちょっとした談話スペースとして利用されることを想像できます。マンションの外観や住人層に合うソファーをおいたり、インターネット設備が整っているのであれば利用しやすいテーブルを配置するなどのアイデアも生まれるでしょう。
高齢者の多いマンションであれば少し低めで落ち着いた和風なソファーが好まれるでしょう。
また、最初にイメージを決め、次に色のトーンを設定します。色のトーンはPCCS(日本色研配色体系)を使うと分かりやすいです。
例えば、インテリアイメージが「エレガント」でフォーマルで清潔なイメージにしたい場合、PCCS表はライトグレイッシュトーンとなり、このトーンでコーディネートすればイメージと出来上がりが大きくはずれることを避けられます。逆にトーンの違う組み合わせは、ちぐはぐで統一感のない印象になりますので注意が必要です。色のトーンを揃えるだけで印象がグンとあがりますので是非実践下さい。
マンションやアパートのエントランスは壁や床を大きく変えれないこともあります。
その場合必然的に「ベースカラー」が決まった状態※となります。(※この場合壁や床が面積の大部分を占めるのでそのカラーがベースカラーとなります)変えれないところは上手く生かし、あとはフォーカルポイントにアソートカラーやアクセントカラーを足すことで洗練された印象が与えられます。
来訪者がお部屋に入らずとも「素敵なマンションだなぁ」と感じてもらえることでしょう。
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