個人情報書類や機密文書の管理
仕事で触れる文書や書類の殆どは「社外秘」です。その中には企業の経営上秘密である物や、戦略上秘匿性の高いもの、また従業員の個人情報や顧客の個人情報などが含まれます。
日常業務において執務上使用している、秘密性の高い文書の管理は万全ですか?
機密文書管理の問題点
時々ニュースで目にする「秘密情報の流出」は、必ずしも悪意のある強盗やハッカーによって起こされているものばかりではありません。
「ついうっかり紛失した」「重要だとの認識が甘かった」という取り扱い上のコンプライアンスにも問題が潜んでいます。
秘密文書が特定されていない
「どれ」が「どの程度」の秘密なのかがハッキリしていないことが大問題なのです。
管理意識が低い
管理方法が人によって違ったり、複雑になりすぎたりしていると「めんどくさい」「分からない」という理由でうやむやになってしまっている事があります。
個人個人だけでなく、チームや部署、企業単位でも意識が低いと言わざるを得ません。
管理システムのルールがない
個々の従業員に任せきりで、文書管理のルールができていなければ機密情報を守ることは出来ません。
紙の書類だけでなく、電子化したものもあるでしょう。
いつでも誰でもアクセスできるという体制は、ルール作りから見直すべきです。
機密文書管理の解決策
秘密文書の特定と区分分け
何が秘密文書に当たるのかをリスト化し、誰が見ても分かりやすいように整理する必要があります。
同時に秘匿の度合いも区分し、アクセスできる権限は誰にあるのかまとめておきます。
取締役会 | 代表取締役社長 | 事業部門長 | 部門長 | リーダー | 一般 | |
機密 | 〇 | 〇 | ||||
極秘 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
秘 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
部外秘 | 〇 | 〇 | 部門内のみ | 部門内のみ | 部門内のみ | 部門内のみ |
社外秘 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
No. | 分類 | 文書 | 作成年月日 | 保存期限 | 保管部署 | 機密区分 |
001 | 定款 | 定款の制定書類 | 2010/01/05 | 永久 | 総務部 B-2 | |
002 | 議事録 | 株主総会議事録 | 2010/01/05 | 永久 | 総務部 B-2 | 社外秘 |
003 | 契約書 | ○○貸借契約書 | 2010/01/15 | 契約終了後10年 | 営業本部 C-1 | 部外秘 |
管理意識の共有
マニュアルを作成し、会議やミーティングで全社員に対して周知します。
管理者やアクセスの手順を分かりやすくすることで「めんどくさい」「分からない」をなくします。
管理のルールを確立する
機密文書には、それぞれのレベルに応じた色分けやステッカーなどで分け、保存場所を確立します。
紙文書の場合
・指定の部署の指定のキャビネットに入れる
・鍵をかけ、鍵の所在を明らかにする
電子文書の場合
・アクセス制限付きの共有フォルダに保存する
・読み取り専用とし、改ざんを防止する
・必要に応じてデジタル透かし情報を付加
紙の文書でも電子文書でも
【複製不可】【再配布不可】【回覧禁止】などの個別対応を付与します。
流出してからでは遅いのです。
社会的信頼を守り、顧客を守り、従業員を守ることを念頭に置きましょう。