オフィスの壁や家具の色は従業員の意欲を左右する
一昔前のオフィスは、白っぽい壁紙とグレーのパーテーション、グレーの床にグレーの椅子、という無機質なものが多かったですよね。
最近では人々がより活き活きと働ける、生産性とモチベーションを上げるためのオフィス作りに変わってきました。
色が人に与える心理
色は色としての認識だけでなく、人の気持ちや行動に大きく影響します。色相の特徴を知って、どのようなオフィスにしたいのかを考えると良いでしょう。
白
一般的に白が良く使われているのは、白という色の持つ清潔感や落ち着き、安定感があるからです。また膨張色でもあるので、実際より広く、明るく見えるという効果もあります。
しかし全ての壁を白一色にするのはお勧めできません。なぜなら真っ白な空間に長時間居ることで、人は不安になって来ることがあるからです。
壁の色と作業効率の調査でも、白は他の色に比べ凡ミスを起こしやすいという結果でした。
壁紙を白くしたオフィスには、カラフルなロッカーやキャビネットを置くと良いでしょう。
グレー
グレーにも色々な色調がありますが、打ちっぱなしコンクリートのような色は一般にオフィス向きではないと言われています。
人は無意識に牢獄のような閉塞感を覚えるのです。心理的に鬱傾向に働く色です。
「逃れたい、逃れたい」と感じながら良い仕事をすることは出来ませんよね。
グレーを取り入れる際には、ブルーグレーやグリーン系のグレーにしてみてください。
柑橘系の明るい色
オレンジや黄色、黄緑といった柑橘系の色合いは、人を元気に明るくします。黄色い色を見ると、脳内でセロトニンという幸福感の物質を分泌するためです。
自然と心を開く色合いは、コミュニケーションを取りやすくし、活発な意見交換や、面白いアイデアにもつながるでしょう。
しかし注意が必要な色でもあります。
あまり大きな面積になると主張が強くなり、会議が纏まらなくなったりしますので、壁紙一面ではなく部分的に、もしくはチェアの色などに取り入れると良いでしょう。
青
心を落ち着かせ、頭をクールに保つ色がブルーです。
「ブレインストーミングを行う際には青い部屋が最適である」という大学の研究もなされています。
しかし長時間真っ青の部屋にいると、心が寒々して悲しい気持ちになるので注意が必要です。
壁紙とオフィス家具との組み合わせ
欠点を補える色調と組み合わせる
オフィスで視界に入るものは壁だけではありませんよね。
パーテーションや椅子、デスク、キャビネットなどなど。
例えば壁紙を落ち着きのあるベージュにした時、人の心理としては「まったりし過ぎてピリッとした仕事ができない」となりがちです。そんな時には視界に入るロッカーや椅子などを、元気が出てモチベーションの上がるオレンジ色にしてみたり、調和とバランスを取ってくれる緑色(=観葉植物)などを置くと良いでしょう。
色彩はスペースごとに考える
ここまで大まかにご紹介した色彩と心理ですが、適材適所に使い分けることが重要です。
会議室とワークスペースと休憩室は、違った色遣いで良いのです。
コーポレートカラーなどを上手に取り入れながら、働きやすい空間を作りましょう。