ホームステージングの写真撮影術。素人でも簡単にできる撮影テクニック!
InstagramやTwitterといったSNSが普及し今や知らない人の方が少ないといっても過言ではないソーシャル・ネットワーク・サービス。
手軽に撮った写真に様々なエフェクトを加えてとってもおしゃれな1枚に仕上げることも簡単に出来るようになりました。沢山の写真を見ることが日常となった現代人。写真のクオリティーにも厳しくなってきていると思いませんか?
インターネットでのWeb内見が増える中、ホームステージングの撮影は大変重要といえます。
そこで注意しないといけないのは、物件を忠実に内見者に伝えるための撮影です。
いくら撮影テクニックや写真の加工が上手くても実際に部屋を見た時と大きく違っていたらどうでしょう。
「写真ではもっと広かったのに・・」「もっと明るい部屋だと思った・・・」なんて不信感を持たれてしまっては好印象どころか不信感が募りまよね?
カメラの性能や加工技術を上手に使って、お部屋を忠実に、魅力的に撮影する方法とは?
以下の章では写真撮影の基本テクニックに加えホームステージングで求められる写真について解説します。
カメラの基本設定
◉性能の良いカメラ(一眼レフ・広角レンズ)に越したことはありませんが、プロでもない限りそうそう良いカメラも持ち合わせていません。まずは手持ちのカメラがどの程度の機能をもち設定ができるのかを調べてみましょう。最近ではスマートフォンの内蔵カメラでも優れているものがあります。マクロ撮影やポートレート設定で被写体周辺をやわらかくぼかしピント部分を強調できる優れた機能もありますので小物撮影などは簡単にパシャパシャと撮影できる利便性もあります。instagramなどのSNSにも撮ったそばからアップできるのでお手軽ですね。
◉三脚の必要性(水平器のついたものがよりGood)
三脚は必須アイテムですので用意しましょう。写真の基本は水平と垂直を維持し手ぶれのない写真を撮ることです。三脚に水平器がついていると尚Goodです。また、軽い三脚は安定感にかけるので応急処置的にペットボトルなどを入れたナイロンをぶら下げたりするだけでも安定します。
暗めのお部屋を明るい露光で撮影したい時シャッタースピードが遅くなり、ブレや輪郭がぼやっとした写真に仕上がってしまいます。
これらを防ぐためにも三脚は必須です。
撮影の場所と目的を明確にする
撮影時間はしっかりとリサーチをして決めておきます。早朝、日中、夕方でお日様のさす向きが変わりお部屋の印象は大きく変わります。
事前に部屋に差し込む光や角度をよく観察しベストな時間に撮影できるように準備することが大切です。
夕方の撮影ならばポートレートならではの黄昏時の色味や間接照明を利用した雰囲気のある写真が狙えます。その際もフラッシュの利用はしません(平面的で明暗がはっきりと出たインスタント的な仕上がりになるためです。)高度な撮影技術が必要ですが雰囲気のある写真が撮れれば物件の魅力も増すこと間違いなしです。
逆に大きな窓や吹き抜けのあるお部屋の撮影の場合は乾燥した朝が空気も澄んでいて窓の外の青空や庭の緑も綺麗に写せるでしょう。ただし、部屋の中と外の明暗が大きすぎると窓が白とびしてしまいます。露光補正しながら撮影する必要があります。
また自然光をうまく捉え明るい部屋で撮影すると、観葉植物やエレメントが映えセンスのいい写真を取ることができます。
魅力的に見える構図とアングル
ゆったりすることが目的のリビングなどはソファーやテレビなどリラックス要素の家具を中心に部屋全体がわかるような広範囲の写真が必要です。
また、家具やインテリアエレメンツで演出した部屋のフォーカルポイントを意識して撮ることをおすすめします。
高い位置からのアングルよりは自分の目線より少し低い位置からのアングルで撮影すると生活する雰囲気に近づけます。
また、トイレやお風呂、と行った狭い空間であれば自然光もしくはそれに近いライティングをし、ハイアングルからの構えます、設備機能なども効果的に映すことができます。
キッチンやダイニングも機能や動線を把握しやすいハイアングルでの撮影が望まれます。
構図は奥の深い撮影テクニックですが基本の水平、垂直をベースに「三分割構図」を意識した撮影ができるとぐっとプロらしくなります。写真を縦横それぞれ三分割し、9個の枠に分割します、それぞれの交点に被写体や強調したい要素をおくことで被写体が映え安定感のある写真になる定番の構図です。カメラの機能で補助線が出るものもありますので有効に使いましょう。
先ほどの写真を分割してみましょう。安定感のある構図になっているのがわかります。
広く・明るく見せるには
◉広く見せる
リビングなどのように広さを見せたい場合、広い画角で撮れるカメラを使いましょう。レンズの焦点距離によって画像にした際の画角が変わります。
焦点距離とは35mmとか100mmとか「mm」でその広さを表します。このmmが小さいければ小さいほど広い画角で撮影ができます。コンパクトデジカメですと「W〜T」と書いてありますが、このWが広角でTが望遠画角になります。
ではどの程度の焦点距離のカメラなら良いのでしょうか
カメラの仕様書に焦点距離と記載があるのでここで17mm〜22mmくらいのレンズ及びカメラ機能があるものを選ぶと広範囲を一枚に収めることができます。
◉明るく見せる
カメラは撮る際の周りの明るさや撮影範囲内の白と黒の割合が影響して人の目ほど忠実に色や明暗を再現できない場合が多くあります。逆光であったり、背景が黒のものであったりすると被写体を白とびさせたり、逆に暗く写したりして思ったように写せないことがあります。カメラのオート機能に頼らず、露出補正を細かく調節し何枚か試し取りをしながらもっとも綺麗に映るところまで撮影して感覚を掴みましょう。
また、暗いからといって内蔵ストロボなどで撮ると平面的なべたっとした画像になるのでフラッシュは使いません。
F値(絞り)を開けてレンズに光を多く取り入れたり、レフ板などで柔らかい光を被写体に当てたりしながら明るさを調整するのが良いでしょう。その際もやはり三脚を使い手ブレをしっかりと防ぐことが大切です。
最後にホームステージングの写真で求められるもの
上記ではカメラの持つ特性を理解して「見せたいように撮る」ための撮影テクニックを紹介しました。
個人が楽しみ配信するブログやインスタの写真と違い、お客様に確かな情報を提供する為の撮影であるということが前提にあるホームステージングの写真。
Web内見では写真がすう枚〜数十枚見ることができます。サムネイルが並びクリックやスライドでコマ送りしながら閲覧するスタイルが多いのですが、一枚一枚の写真の露光(明るさ)や色味が大きく違う、アングルが高い位置からの写真や低い位置からの写真などまちまちで不揃いだと見る際に目をあちこち動かさないといけないようなことになり閲覧者は疲れてしまいます。
多いものは30枚近い写真を記載し見ることができるWeb内見。
見る人がストレスなく確かな情報を見れるように写真の撮影をする。アングル(閲覧者の視線)を均等にできるような撮影とそれを意識した写真の記載順にまで気を配ることができればあなたの物件が選ばれる確率もグッと近づけます。